学会関連新着情報 2014/12/04
2015年1月17日―南・西アジア文化照光会議/南アジア学会月例懇話会 共催 「インド・パキスタンが生んだ大民謡の秘密」
南・西アジア文化照光会議/南アジア学会月例懇話会 共催
第一回 インド・パキスタンが生んだ大民謡の秘密
――魅惑のライム・ニンブーダーと赤いハヤブサのカランダル
南・西アジア文化照光会議は、南アジア~西アジア地域で育まれてきた有形無形の豊かな文化を、いっそう深く学びあい、よりいっそう自由に語り合うべく企画された、研究会型公開イベントです。議題に関心のある有志諸氏の学内外からの参加を歓迎します。
(※どなたでもご参加いただけます。参加費はいただきません。事前登録は不要です。)
記念すべき第一会は、南アジアの民謡から始めましょう。
作詞作曲者知らずの小さな民謡が、国境や言語圏を超えてスタンダード歌謡になってゆく道程を追いながら、現地調査に基づいた資料や音楽・映像とともに、その秘密に迫ります。
日時:2015年1月17日(土)14:00~17:00
場所:東京外国語大学 本郷サテライト 8階会議室
(http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html)
① 小西公大(東京外国語大学現代インド研究センター)
「魅惑のライム/ニンブーダーと愛のかたち」
大ヒットしたボリウッド映画「Hum Dil De Chuke Sanam(邦題『ミモラ』)」の挿入歌として一躍有名となり、スタンダードなダンス・ナンバーとなった「ニンブーダー・ニンブーダー(Nimbooda Nimbooda)」。この歌は本来、タール沙漠(ラージャスターン州西部)のムスリム楽士集団マーンガニヤールの無名の女性たちが結婚式の際に歌う儀礼歌だった。この歌がどのような変遷を経て国民的な歌謡へと変転していったのか。また未熟なライム(ニンブーダー)に込められた愛の意味とは?歌詞とともに演奏スタイルの変遷に関しても触れながら、一つの歌の辿った軌跡を詳細に追うことで、沙漠社会に押し寄せた大きな変動のあり方を読み解いていく。
② 村山和之 (中央大学・和光大学兼任講師)
「赤いハヤブサ/マスト・カランダルの飛翔」
インドでは「ダマーダム・マスト・カランダル」「ジューレー・ラール」、パキスタンでは「ラール・メーリー・パト」の名で知られる民謡は、インダス河下流域に祀られるスーフィー聖者ウスマーン・マルワンディーを讃える歌である。彼は実名よりもラール・シャーバーズ・カランダル「(スィンドの)赤いハヤブサ」として、この民謡にのって南アジア全土に知れ渡っている。宗教歌謡、ダンス音楽など様々な形態をとりながら、民衆に好まれ続けてきたこの民謡の、歌詞内容、聖者譚、パフォーマンススタイルを辿り、その真髄を楽しんでみたい。
以上、万障お繰り合わせのうえご参加ください。
南・西アジア文化照光会議議長 村山和之
南アジア月例懇話会幹事 小西公大 澤田彰浩 梅村絢美
(お問い合わせは小西(kkodai@tufs.ac.jp)もしくは村山(danamm426@gmail.com)まで)