学会関連新着情報 2014/11/30
2014年12月6日―日本南アジア学会九州支部 2014年度定例研究会のお知らせ
「日本南アジア学会九州支部 2014年度定例研究会のお知らせ」
皆様方におかれましてはますますご健勝のことと存じます。
この度は、2014年度12月の定例研究会を以下のように企画しましたので、みなさま、奮ってご参加頂きますようお願いします。
ご参加頂ける方は、研究会と懇親会の参加希望を幹事の針塚まで
メール( mizukiharizuka@hotmail.com )でお知らせください。
12月3日(水)までにお知らせ頂けますと幸いです。
多くの方々のご参加をお待ちしております。
記
「日本南アジア学会九州支部 12月定例研究会」
日時:12月6日(土)13:30-17:00(懇親会は17:15-19:15)
会場:九州大学教育学部会議室(教育学部棟1階)
〒812-8581 福岡市東区箱崎6-19-1
地図、交通案内は http://www.education.kyushu-u.ac.jp/accesses をご参照ください。
発表者:
片岡啓氏(九州大学)
「クマーリラの聖典論――写本蒐集から殺生まで――」
要旨:
聖典解釈学ミーマーンサーの学匠であるクマーリラ(紀元後7世紀前半頃)は,『ミーマーンサー・スートラ』への復注釈者として知られる.発表者は,2011年に,次の英文単著をウィーンのオーストリア科学アカデミーより上梓した.
Kumarila on Truth, Omniscience, and Killing. Part 1: A Critical Edition of Mimamsa-Slokavarttika ad 1.1.2 (Codanasutra). Part 2: An Annotated Translation of Mimamsa-Slokavarttika ad 1.1.2 (Codanasutra). Verlag der Osterreichischen Akademie der Wissenschaften. 97 + 627 pages.
本書は,『ミーマーンサー・スートラ』1.1.2に対するクマーリラの復注釈を取り上げた研究である.第一部は7刊本と5写本に基づくサンスクリット原典の校訂であり,第二部は,解題,および,英訳・訳注から構成される.本章でクマーリラは,ヴェーダという聖典の権威の問題を取り上げる.そこでは,ヴェーダ聖典の位置付けが問題となる.クマーリラは,聖典が正しいとはどういうことかを論じる中で,一般的に認識が正しいとはどういうことか,という真理論の問題を取り上げる.また,ヴェーダだけがダルマに関して正しい情報ソースである,ということを主張する文脈で,仏陀などの全知者の存在を否定する.また,ヴェーダ中に見られる供犠内殺生や呪い殺しの儀礼など,殺生の問題も論じている.
今回の発表では,(汗をかく)インド写本蒐集や(眼に悪い)テキスト校訂の苦労から,バラモン教と仏教の白熱した論争史,真理論・全知者論・殺生論まで,本章の研究に関連・付随する様々な話題を広く浅く,或いは時にオタク的に深く,提供する心づもりである.玄奘が留学した当時の知的世界の雰囲気を伝えられれば幸いである.
鹿毛理恵氏(佐賀大学)
「スリランカにおける家事労働者の国際移動~ジェンダーをめぐる政治経済学的再考~」
要旨:
発表内容は、著書である「国際労働移動の経済的便益と社会的費用:スリランカの出稼ぎ女性家事労働者の実態調査」(日本評論社、2014年)について報告するとともに、あらためてスリランカのジェンダーをめぐる政治経済学的アプローチをもって、家事労働者の国際移動の背景や影響について再考するものです。
参加費:研究会参加費 500円
研究会終了後、同会場にて懇親会を予定しています。
幹事:針塚瑞樹(別府大学文学部講師)
〒874-8501 大分県別府市北石垣82
別府大学文学部教職課程 TEL:0977-67-0101(代)