学会関連新着情報 2018/05/27
7月7日(土) 開催 日本南アジア学会30周年記念連続シンポジウム 第5回のお知らせ
南アジア学会30周年記念シンポジウム第5回(京都)
「感覚からみるインド世界 ― 動物・生業・芸能」のお知らせをいたします。
当日は会場内で吉田亮人氏の写真展も開催されます。本シンポジウムは、人々の生活文化、儀礼や芸能などを手がかりに、インド世界に広がる基層文化や感覚的・感応的世界を探究してきた日本の南アジア研究の潮流を継承しつつも、急速な変貌を遂げている南アジアの現在を「感覚」という切り口から照らしだそうという試みです。
当日は会場にて、バングラデシュやインドをはじめ世界各地で取材をしてきた写真家、吉田亮人氏の写真展(バングラデシュの皮革産業者を撮った『Tannery』、チベットの人々と鳥葬を撮った『Sky Burial』から数点を展示)を開催いたします。
またシンポジウムのしめくくりには、藤澤バヤン氏(タブラ)と北田信氏(サロード)によるインド古典音楽実演も行われます。
研究者だけでなく、広く一般市民の方々、学生の皆様にお越しいただければと考えています。事前申し込みなどは不要です。興味のありそうな方に情報共有していただけましたら幸いです。
Akihito Yoshida Website:http://www.akihito-yoshida.com/
皆さまのお越しをお待ちしております。
日時:2018年7月7日(土)13:00~17:30
会場:京都大学 稲盛財団記念ホール3階 大会議室
京都市左京区吉田下阿達町46 京都大学薬学部構内(地図64番の建物)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/yoshida/map6r_m.html
(京阪線神宮丸太町駅 出町柳方面出口を出て北東へ徒歩10分)
趣旨:
道をゆく牛のいななきに砂ぼこり、祠から漂う強烈な薫香、電飾で彩られた寺院から響いてくる音 ― まさに五感をとおしてインド世界は私たちを魅了してきた。しかし、公共空間の浄化と秩序立てのため、あるにおいが「悪臭」化されるといったように、しばしば感覚変容を伴う根本的な変化も起きている。
現地の人々が何を味わい、どんな音を聴きとり、意味をもたせ、どんなにおいに快/不快を感じているのか。感覚とその変容を考えるにあたって、本シンポジウムではとりわけ、動物に対する態度や動物を介した人と人の関係に焦点をあてる。インド世界において人々は、動物を対象化し資源として利用するのみならず動物のコスモロジカルな表象やメタモルフォシスなどさまざまな関係を結んできた。
本シンポジウムでは人々の生業や芸能、信仰などの生活文化における人と動物との接点を一つの切り口とし、そこでの人々の感覚経験とその変容を探求の対象とすることで、インド世界の文化的基層へ迫ると同時に、変貌しゆく南アジアの現在に迫る。
プログラム:
全体司会:田中雅一(京都大学)、石井美保(京都大学)
13:00 趣旨説明 中村沙絵(京都大学)
13:10 講演
北田 信(大阪大学)
「絵画と旋律 〜 音楽的細密画に描かれる鳥獣」
篠田 隆(大東文化大学)
「インドにおける家畜経済の展開と家畜観の変容」
吉田亮人(写真家)
「チベットの鳥葬とバングラデシュの皮革産業」
岩谷彩子(京都大学)
「ヘビがもたらす感覚変容―カールベリヤーの旋回舞踊とその生活世界より」
15:10 休憩
15:30 コメント
比嘉理麻(沖縄国際大学)
小磯 学(神戸山手大学)
15:50 総合討論
司会:田中雅一(京都大学)、内山田康(筑波大学)
16:50 インド古典音楽実演
藤澤バヤン(タブラ)
北田 信(サロード)
17:30 閉会の辞